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先日、フジテレビの報道番組『LiveNewsイット!』にて育児休業についてコメントさせていただきました。きっかけはyahooニュースの公式コメンテーターとして投稿したコメント。
何にもないところから独立して、仕事と生活の両立と氷河期世代の将来設計をテーマに活動してきて、こんな形で意見を伝えられる日が来るなんて本当にありがたいことです。
今回のテレビ取材のきっかけになった報道ですが、育児休業を希望するも実態として取得できないというケースがあります。
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子どもがいながら育児休業を取得していない労働者のうち29.6%が、希望に反して取得できなかったことが連合の意識調査で分かった。取得できた人の中でも40.1%は希望日数より少なく、本人たちが望む取得がままならない現状が浮かび上がった。(共同通信)
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☆リンク→「育休希望」も3割が取得できず 日数も少なく、連合の意識調査
「あれ?育児休業って法律で取得させないといけないって決まってなかったっけ?」
「取得させないとハラスメントになるんじゃないの?」
そう思った方もいるかもしれません。もちろん法律上は取得する権利があるものです。それでも取れなかったケースにおいて実態としてギリギリの人員で業務を回していることや、フルタイムで働く社員の仕事が高度化・多様化しているということが背景にあると感じます。例えば、法務部門の女性は会社の機密情報を扱うため派遣での代替ができないとか、管理職の女性はそもそも取得することが想定されていないなどです。
誰もが長期不在になる可能性があるという想定で設計されていない職場では取得しづらい雰囲気もあり、最低限の休みにして復帰するというのが、責任ややりがいを持って仕事をしていて、かつ退職したらに次の仕事が決まるかわからないご本人にとっても選ばれる道になってしまいがちです。
もちろん男性育休含め、誰もが育児休業を取得できるようになるべきです。ただ企業や働く人の事情によって、最適解は「長期の育休が取れる」というものだけでなく、保育園入園までの預け先を確保してテレワークやフレックスなどの柔軟な勤務で両立できるようにするなど「短期の育休でも対応できる環境づくり」というケースもあるかもしれません。
ちなみに、育休が取れない理由の2位は「収入が減る」だったのですが、育児休業中の収入は半年までであれば概ね心配することはありません。こちらは以前、日経DUALで記事も書いたのでよろしければご参照ください。
☆リンク→FP佐藤麻衣子 男性育休進まぬ背景にお金の誤解も
収入の不安においては育児休業給付金の制度内容が理解されていない可能性もありますが、実態として育休を取得して主戦力から外れてしまうと収入が下がる、長期的なキャリア形成に影響があると感じているのではないでしょうか。特に男性はまだ根強いのではないかと思います。
収入の維持は現在の家計の問題でもありますが、社員のライフプランを想定すれば年金額にも影響するので将来の問題でもあります。私も育児期は収入が減り、長期的にも子育てしながらでは希望した専門職のキャリアには実態として手が届かないと感じて離職した経験があります。直接的にも間接的にも、育児=キャリアダウンとならないような設計が重要です。
このような報道をきっかけに、社会全体でまずは「どうしたら誰もが育休を取れるようになるか」そして実態として難しい環境では「どのくらいなら取得できて、その後どうすれば育児との両立ができるようになるか」など多様なケースでの課題解決につながる議論が進むことを願っています。
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~働き方とライフプランの変化に応じた職場づくりで企業も社員も豊かに~
ウェルス労務管理事務所 佐藤麻衣子
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