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テレワークの推進と休める職場づくりの重要性

年明けから3月にかけて、コロナの感染者や濃厚接触者、休校・休園が相次ぎ大変だった職場は多いのではないでしょうか。弊所でも相談を受けることが多く、並行して4月からの男性育休やハラスメントの法改正への対応をしていく中で、今後は「テレワークの推進と一定期間誰もが休める職場づくり」への取り組みが、企業の人材採用・定着力につながるという思いが強くなりました。

今回のコロナの影響で身にしみて感じたのは、必要な労働力が確保できなくなる状況は突然起こっても不思議ではなく、会社ではコントロールできないということ。当面はコロナ関連の欠勤が心配ですが、自然災害や家族のケアなど他の理由で起こることも十分あり得ます。

そして、無症状の感染者や濃厚接触者、休校等により出勤できないケースや雪の影響で出勤できない日などは、社員本人は労務提供できる状況であり、テレワーク環境が整っていればリスクを大きく減らせたということ。これは会社の労働力確保という面だけでなく、働く人の生活の安定にも直結します。

今までもBCP対策としてテレワークを推奨してきましたが、この数カ月は危機感が足りなかったことを思い知りました。また「どこでも採用される優秀な人はテレワーク環境が整った会社に転職していくし、新たな採用先として選ばれにくくなる」ということを近い未来の事のように話していましたが、地域差や業種差はあるものの、もう既にそういう状況になっているのだなぁと。

テレワークできるかどうかで採用力に差が…


さらにこの4月からは、育児・介護休業法の一部が施行されいわゆる男性育休も推進されていきます。男性+正社員だと雇用の慣習からも会社にフルコミットする前提で考えられているケースが多いですし、人手不足で代替要員の確保も難しいとなると「男性は育休なんて実際は取れないよ」という職場も正直あると思います。それでも、取り組む会社は取り組みを進めています。ここでも採用の差が開いていきます。

そして、男性正社員という会社にフルコミットする人が育休を取得できる職場づくりは「誰もが一定期間休んでも回る職場」の実現につながっています。これは介護や不妊治療、学び直しや社外の社会活動への参加、心身のリフレッシュなど、今の時代に求められる時間の使い方、そして社員の長期的な生活設計を支援できる環境でもあります。私自身も会社員だった頃「定年までずっと働くのは辛い。会社員も1カ月くらい休めたらいいのに…!」とよく思っていましたが、職場の魅力という面でも大きなポイントになるのではないでしょうか。
一定期間休める職場環境というのは、今いる社員も含めこれからさらに求められていくと思います。

とはいえ、業種や企業規模などにより事情は大きく異なります。なのでまずは「誰もが2週間は休んでも回るようにする」など会社の実情に見合った目標を立てる。その上で、仕事の体制を見直したり、職場の風土を変えていくなどして取り組みを進めてみることをお勧めします。あわせて、ペーパーレス化を進めるなどしてテレワークでもできる業務を増やし、休暇制度とテレワークと組み合わせることでより柔軟に働き続けられる環境にしていけるといいですよね。

コロナの影響や法改正など、中小企業には厳しいと感じることが続きますが、ピンチはチャンスでもあります。自社のケースではどんな方法が考えられるか、今いる社員が働き続けるにはどうしたらいいか。新年度から改めて職場の課題に向き合って、会社も社員も豊かになれる道を探求していきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました!
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ウェルス労務管理事務所 佐藤麻衣子

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